紙という素材は、有機的な曲線とあたたかみがある一方で、加工物としての無機質な表情も併せ持つ。
脆く儚い退廃美学を思わせるマテリアルも相まって、現代社会に対して、「ゴミなのか、作品なのか、芸術とは、人間とは何か」問いかける。
屋内、屋外問わず、ある時は自然風景に溶け込もうとしたり、ある時はガラスウィンドウの中の棚に美しくディスプレイされたりする。
全国各地に持ち込んでは、捨て場所を探し彷徨う。
その一連の行為はまるで、存在意義に疑問を感じながら居場所を求めつつも、大きな自然の流れからは外れる事のできない我々を表しているかの様である。