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一角 榎本大翔 2024/3/13-3/24

solo exhibition


『一角』 榎本大翔 ENOMOTO Daisuke



ひとは自分の、

生きてきた時間や思想の積み重ねに説明が出来ない。

多くの矛盾を受け入れ、儚い刹那の連続を生きる。

想像と創造は何を残せるのだろうか。

我々はまだ、己の一角しか知らない。

人生に疑問を感じ、存在意義を求め、彷徨い続ける男が生み出す、空しさ漂う産物展。


会期|2024年3月13日(水)〜3月24日(日)

時間|水-金13:00-19:30 土日祝 12:00-18:00

休廊|月・火

住所|〒103-0005

   東京都中央区日本橋久松町4-6杉山ビル 4F Gallery TK2

3月16日 (土)・23日 (土)両日14時~

ギャラリートークを開催します。

是非ともお越しください。予約不要です。


個展開催にあたって


この度、東日本橋駅近くのgallery TK2様にて個展を開催さていただく運びとなりました。

本展は従来の展覧会とは異なり、作家が会期中、会場で自身の表現を解説するという点が特徴です。

お客様と直接対話することで、より多くの方に「芸術」を身近に感じていただきたいと考えておりますので、是非実際にお越しいただき、たくさんお話ししましょう。


私が表現の為に使用する主な素材は、不要になっても、もったいなく感じて捨てられないものです。

その中でも特に"紙"が多く、市販の普通の紙ではなく、子供の頃から書き溜めた裏紙メモや、落書き、絵を使用します。


考えていた事やその時々の心情を忘れてしまう事が苦手で、自分という存在を知るためにも、子供の頃からメモや落書きを親の不要になった書類の裏紙に書き溜めていました。

なにか思念の様なものを感じて、簡単に捨てることができず、溢れかえってしまった集積紙を、どのように処分するか思い悩んでいたところ、ふとこの蓄積された時間と思想の山が、表現行為のエネルギー源になるのではと思い、一から再生紙にしてみようと考えました。


ビリビリと手で細かくちぎり、水と水のりで混ぜれば、ドロドロの繊維の液体となり、それを薄く漉いて再生紙ができます。

紙漉きを繰り返していくうちに、ペラペラの一枚の紙ではなく、厚く盛られた地層の様に変化していきました。


まるで、地球の活動の様にぐつぐつと溶け煮出したマグマが、溢れ固まって新たな大地を生成し、積み重なった地層が果てしない時間を感じさせる事と繋がり、自身の思想そのものが紙層として具現化し、表現活動という新たな"自分"を生み出す行為になっていると考えました。


この行為を基に、様々な場に持ち込み、人や環境と接して、過去に感じた事や時間の積み重ねに、想いを馳せる。

そして余計に捨てることが出来なくなった、「思想の紙層」の存在意義とこれからについて考える。


また会場でも"作品"という認識ではなく、"自宅で発掘した塊"や"生活の鍾乳洞"という様に、そもそもゴミなのか、作品なのか、自然物なのかわからない、境界線の曖昧な存在として接しています。

一連の流れを拡大解釈すると、芸術とは何か、表現とは何か、生命とは何か、考えるきっかけ作りを目指して活動しております。


本展では、「これまでの思想の紙層、自問自答を繰り返し、表現活動を通じて積み重ねた結晶物」と、深層へ掘り進める中で発掘した「これからの表現についての試行錯誤」を同じ空間内にて展開いたします。


時期によって異なる質や形状の変化、圧倒的なボリュームと、紙層の物体としての不思議な魅力、独特な精神世界に没入してみてください。


紙の持つ有機的な曲線にあたたかみを感じ、無機質でマットな質感がドライな印象も与える。

重量感のありそうな見た目とは裏腹に、触って持つと驚くほど軽い。

自由に触れても良くて、作品じゃないから壊れてもいい。

好きな欠片が見つかれば、1g30円の量り売りで購入することも可能。

シルバージュエリーが傷つきやすい為、什器として利用したり、

香りとの相性もよく、フレグランスと組み合わせて飾ったり、

苔を育てたり、子供のおもちゃととして目一杯遊んだり、

ゴミなのか、おもちゃなのか、作品なのか、自然物なのか分からない。

不思議な存在の「思想の紙層」の魅力を堪能してください。


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